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初恋の女性に会わせる! [奥山和由プロデューサー日記]

例によって私事ですが、あることがあってこの数日間、生まれてこの方、記録的に気分は最悪でした。もう何もしたくないし、出来ない状態。でも今、気合を入れて方向を180度切り替えました。こんな時こそ、何らかの夢に向かって突き進むべきだ。なるべく無理難題の多い目標を探して、自分を夢中にさせねば。そう思いたって周りを見渡すと、やっぱり「TAIZO」です! 思えば、本当に長い間、この映画にはこだわって来ました。何故と言われると、完全な答えは見つかりません。ただ、自分と向き合うための意地というものは、確実にあったと思います。監督の中島さんですら、私のこの映画に対するこだわりを、リーズナブルなものとは受け止めてもらえませんでした。しかし、いつの間にかこの「TAIZO」で明確な結果を出すことなく、またいで先に進むことが出来なくなっていたのです。それは、その前の数年間の映画製作が影響していると思います。浅田次郎原作の「天国までの100マイル」など、数本のプロデュースをしながら、自分のなかに思い込みの手ごたえを感じられなくなっていたのです。プロデューサーは映画作りを生活のための仕事にしてしまった段階で「終わり」です。そして、あえて思い入れ強く「クラッシュ」を監督しました。しかし、これも自分を思い込ませるのに、いつの間にか強い意識が必要になっていました。当然無理があったのでしょう。映画の展開としては、腰砕けだったと思います。その頃から、俺はこんなもんだったかな?という自問自答がはじまりました。映画作りは恋愛と同じだと思います。少なくとも自分にとってはそうです。惚れるということがすべてです。そこから思い込みが生まれ、価値創造につながるのです。間違いなく、私はこの「TAIZO」という映画に惚れています。この映画の魅力は色々と語ることはできます。が、一言に集約すると、不器用で一途という言葉になります。この映画に手練手管というものはありません。生まれた姿そのまんまという感じです。それは監督・中島多圭子さんのキャラクターでもあります(失礼!)。そして、この映画から、夢に向かってひたすら走る青年への中島さんの愛情が素直に感じられます。そのことになんだかホッとするのです。

こう書いていて、ふと思い出したことですけど、先日、中島さんの御紹介で、お会いしたカンボジア在住のフランス人の方が、やはりこの映画に惚れていて、アンコールワットでこの映画を上映しないかと勧めてくださいました。アンコールワットのゲートにスクリーンを張ることが出来るそうです。素晴らしいアイデアだと思いました。「TAIZO」を、彼が見たくて仕方がなかった、触れたくて仕方がなかった、アンコールワットで上映することは、泰造の魂を、初恋の女性に会わせるような錯覚を覚えるものです。あの幻想的なアンコールワットに泰造の姿が浮かび上がるところを私も是非見てみたい! あの泰造の歌声を彼の「さくら」の歌をアンコールワットで聴きたい!

こう書いているうちに決めました。このプランをなんとしても実現したい。映画のラスト近く、泰造について井川さんも言ってました。「初恋の女性にふられたうぶな青年のよう」と。そのうぶな「TAIZO」を初恋の女性に会わせるのです。当分の間は、この実現に夢中になることにします。


2006-07-18 11:32  nice!(0)  コメント(1)  トラックバック(1) 
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Chacha

泰造さんの事を知らないままカンボジアに行ってアンコールワットにはとても魅かれて帰って来たところです。随分前のカキコミの様ですが、↑の計画はもう実現したのでしょうか?
by Chacha (2008-03-08 12:22) 

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